賃貸不動産経営管理士試験で頻出となる建築基準法についてまとめました。条文や規制内容を暗記するだけでなく、その趣旨を理解することが得点のカギになります。この記事では、建築物等の定期報告制度や共同住宅の避難施設、採光や換気、シックハウス対策などを整理し、最後に例題を掲載しています。
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建築物等の定期報告制度とは
建築基準法12条では、一定の建築物や建築設備に定期的な点検・報告義務が課されています。所有者や管理者は資格者に調査を依頼し、結果を行政庁に報告します。
定期報告の種類
- 特定建築物定期調査(劇場・ホテルなど)
- 昇降機等定期検査(エレベーター等)
- 防火設備定期検査(防火扉や防火シャッター)
- 建築設備定期検査(換気・排煙設備など)

共同住宅における避難施設の規定
- 廊下の幅:両側居室は1.6m以上、片側居室は1.2m以上
- 直通階段:6階以上は2つ以上必要
- 歩行距離制限:耐火構造なら50m以内、それ以外は30m以内
- 階段の幅:直上階が200㎡超は120cm以上、屋外階段は90cm以上

居室の採光と換気
- 採光:床面積の7分の1以上の有効開口部
- 換気:床面積の20分の1以上、または機械換気設備
- 24時間換気設備の設置義務
- ホルムアルデヒド・クロルピリホスの使用制限

アスベストとシックハウス対策
- アスベストは平成18年から全面禁止
- ホルムアルデヒドは居室内使用制限あり
- シックハウス対策として換気設備の設置義務

天井高とロフト
- 居室の天井高は2.1m以上
- ロフトは天井高1.4m以下かつ床面積の2分の1未満なら階数に算入されない

賃貸不動産経営管理士試験対策のポイント
- 定期報告制度は「誰が・何を・どこに」報告するかを整理
- 避難施設は数値基準を丸暗記
- 採光・換気・シックハウス規制はセットで理解
- 天井高・ロフトの規定も頻出

例題で確認
例題1
建築基準法において、共同住宅の廊下の幅に関する規定として正しいものはどれでしょうか。
- 両側に居室がある廊下は1.2m以上必要である。
- 片側にのみ居室がある廊下は1.6m以上必要である。
- 両側に居室がある廊下は1.6m以上必要である。
- 廊下の幅に関する規定は設けられていない。
正解:3
解説:建築基準法施行令で、両側居室の場合は1.6m以上、片側居室の場合は1.2m以上と規定されています。

例題2
居室の採光に関する基準として正しいものはどれでしょうか。
- 採光の有効開口部は床面積の1/10以上必要である。
- 採光の有効開口部は床面積の1/7以上必要である。
- 採光の有効開口部は床面積の1/5以上必要である。
- 採光の基準は建築基準法には定められていない。
正解:2
解説:居室の採光は床面積の7分の1以上必要と定められています。

例題3
次のうち、建築基準法の規定として誤っているものはどれでしょうか。
- ホルムアルデヒドを発散する建材の使用制限がある。
- クロルピリホスの使用は禁止されている。
- 居室には24時間換気設備の設置が義務化されている。
- ロフトの天井高は2.1m以上必要である。
正解:4
解説:ロフトは天井高1.4m以下であれば階数に算入されません。なお、居室は天井高2.1m必要です。

まとめ
建築基準法は数値や条文を丸暗記しがちですが、背景にある「安全確保」「健康保護」の目的を意識すると理解が深まります。例題を活用して知識を確認し、試験の得点源にしていきましょう。
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