建物の維持保全とは
賃貸住宅の管理において「維持保全」は欠かせない要素です。維持保全とは、建物や設備を安全かつ良好な状態に保つための点検・清掃・修繕を一貫して行うことをいいます。特に宅建試験では、維持保全が「事後保全」と「予防保全」に分類される点が重要です。
- 事後保全:不具合が起きたら修繕する方式。短期的には安価ですが、長期的には非効率。
- 予防保全:不具合を未然に防ぐ方式。長期的には経済的であり、適切な維持管理に直結します。
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維持管理計画と点検の役割
維持管理は清掃・設備管理・点検・修繕など日常的な業務を含みます。特に、維持管理計画を立てること が欠かせません。計画には日常的な清掃、定期的な点検や保守、修繕計画が含まれます。また、巡回点検によって建物の劣化や不具合を早期に把握し、入居者からの情報も併せて活用することが大切です。

建物の構造を理解する
建物は大きく「基礎構造」「上部構造」「設備部材」に分かれます。
- 基礎構造:建物の荷重を地盤に伝える部分。直接基礎(フーチング基礎・べた基礎)や杭基礎(支持杭・摩擦杭)が代表例です。
- 上部構造:柱・梁・耐震壁・床など建物を支える主要部材と、間仕切り壁などの非構造部材に分類されます。
宅建試験では「主要構造部とは何か」がよく問われるため、柱・梁・床・屋根・階段が含まれる点を押さえておきましょう。

構造形式と構造材料の種類
構造形式は「平面構造」と「立体構造」に分類されます。マンション建築で多いのは 壁式構造 と ラーメン構造 です。
また、構造材料による分類も試験頻出です。
- 木構造(在来工法・ツーバイフォー工法)
- 鉄筋コンクリート造(RC造)
- 鉄骨造(S造)
- 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
それぞれの長所・短所を理解しておくことが合格の鍵です。

地震対策の3つの構造
日本において重要なのが地震対策です。代表的な構造は次の3つです。
- 耐震構造:柱や壁を強化し、建物の剛性を高める。
- 制震構造:ダンパーを設置し、地震エネルギーを吸収して揺れを軽減。
- 免震構造:基礎と建物の間に装置を設け、揺れを建物に伝わりにくくする。
試験では、この3つの違いがよく問われるため、比較して覚えておきましょう。

地震後の対応と法制度
地震発生後には「応急危険度判定」「被災度区分判定」「罹災証明書」などの制度があります。また、「耐震改修法」に基づき、特定既存耐震不適格建築物については所有者に耐震診断や改修の努力義務が課されています。これは法律と建築の実務が結びついた重要な分野です。

まとめ
建物の構造や地震対策は宅建試験で頻出のテーマです。
- 維持保全は「予防保全」が基本
- 主要構造部の範囲を正確に理解する
- 耐震・制震・免震の違いを比較して覚える
これらをしっかり押さえておくことで、得点源にできます。
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