今年、宅建士の資格を持つ私が賃貸不動産経営管理士の受験を検討するにあたり、賃貸借契約と関連性の高い委任契約や請負契約の仕組みと違いについて整理しました。契約の性質や責任の範囲を理解することは、試験対策だけでなく実務上も重要です。
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委任契約とは
委任契約とは、当事者の一方が法律行為を行うことを相手方に依頼し、相手方がこれを承諾することで成立する契約です。民法第643条に基づき、委任契約は無償が原則ですが、有償とすることも可能です。弁護士や税理士との契約が典型例で、依頼された行為の結果ではなく、その行為を誠実に行う義務を負います。

請負契約とは
請負契約は、仕事の完成を約束し、その結果に対して報酬を受け取る契約です。民法第632条に規定され、建築工事や修繕などが典型例です。結果責任が特徴で、契約内容どおりに完成させる義務があります。完成しなければ報酬請求はできません。
委任契約と請負契約の違い
最大の違いは「結果責任」の有無です。委任契約は結果ではなく行為そのものを誠実に行う義務があるのに対し、請負契約は完成という結果をもって報酬請求が可能となります。また、契約解除の可否やタイミングも異なり、委任はいつでも解除可能ですが、請負は原則として一方的な解除はできません。
賃貸借契約との関係
賃貸借契約は、物の使用収益を目的とする契約であり、委任や請負とは性質が異なります。ただし、不動産管理業務ではこれら3つの契約形態が混在することがあります。例えば、管理業務の一部を委任契約で依頼し、修繕工事を請負契約で発注するケースです。
試験で問われやすいポイント
- 委任契約は行為義務、請負契約は結果義務
- 委任は無償が原則、請負は有償が原則
- 契約解除の自由度の違い
- 報酬発生のタイミングの違い
- 契約の性質に基づく債務不履行責任の範囲
実務での注意点
実務では、契約書の名称だけで契約類型を判断するのは危険です。契約内容の実態を確認し、委任か請負かを正しく理解する必要があります。誤って契約類型を把握すると、報酬請求や責任範囲でトラブルになる恐れがあります。
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