宅建試験において「宅建業法」は最重要科目の一つです。配点が高く、理解しやすいため、得点源にしやすい科目です。しかし、条文を丸暗記するだけでは対応しきれない問題も出題されるため、しっかりとした理解が必要です。
この記事では、宅建業法の基本的な内容と試験で押さえておくべきポイントをざっくりですがわかりやすく解説します。
宅建試験合格のポイントは以下で解説しています。
宅建業法とは？
宅建業法（宅地建物取引業法） とは、宅地や建物の取引に関するルールを定めた法律です。不動産業者が公正かつ安全に取引を行うための規制や、消費者を保護するための仕組みが盛り込まれています。
この法律がなぜ重要なのかというと、不動産取引は高額であり、トラブルが起きやすいからです。例えば、「契約内容が説明と違う」「手付金を返してもらえない」といったトラブルが発生することがあります。こうした問題を防ぎ、消費者を守るために宅建業法が存在しています。ですので、試験対策上はわからない問題に遭遇したら、消費者を保護されるかを考えると正解に近づくことができます。
宅建業法が規制する対象
宅建業法が適用されるのは「宅地建物取引業（宅建業）」を行う者です。
宅建業とは？
宅建業とは、「宅地または建物について、業として売買・交換・貸借の代理・媒介を行うこと」 を指します。ここで重要なのは、「業として行う」ことが要件である点です。
- 「業として」とは？
反復・継続して取引を行い、営利目的で行う場合を指します。例えば、個人が自分の持ち家を1回だけ売却するのは宅建業には該当しません。しかし、不動産業者が複数の物件を継続的に取引する場合は宅建業に該当します。
宅建業者の免許制度
宅建業を営むには、「国土交通大臣」または「都道府県知事」の免許 を受けなければなりません。
- 国土交通大臣免許 … 2つ以上の都道府県に事務所を持つ業者が取得
- 都道府県知事免許 … 1つの都道府県内のみで事務所を持つ業者が取得
免許を受けるためには、欠格要件（過去に一定の違反歴がある、成年被後見人である等）に該当しないことや、事務所ごとに「専任の宅地建物取引士」を設置することなどの条件を満たす必要があります。
試験で押さえるべきポイント
宅建試験では、宅建業法から20問（全50問中）出題されます。そのため、ここでしっかり得点を取ることが合格の鍵になります。特に次のポイントは確実に押さえておきましょう。
1. 宅地と建物の定義
- 宅地とは、都市計画法で「用途地域内の土地」または 「建物の敷地として適した土地」 のこと。
- 建物とは、宅建業法上、特に定義されていないですが、屋根と壁があり、土地に定着している構造物 のことで住宅以外にも、工場・倉庫・事務所なども含みます。
2. 宅建業者の義務
- 重要事項説明（35条書面） … 宅地建物取引士が説明しなければならない。
- 契約書面（37条書面） … 取引内容を文書にして交付しなければならない。
- 報酬額の制限 … 宅建業者が受け取れる仲介手数料には上限がある。
3. 宅地建物取引士の役割
- 宅建業者には、事務所ごとに「専任の宅地建物取引士」を設置する義務 がある。
- 重要事項を説明すること
- 重要事項説明書（３５条書面）に記名すること
- 契約書（３７条書面）に記名すること
まとめ
宅建業法は、宅建試験の中でも得点しやすい分野ですが、細かい規定が多いため、しっかり理解することが重要です。特に、宅建業者の免許制度、宅地建物取引士の役割、重要事項説明などのルールは頻出なので、確実に押さえておきましょう。
過去問を繰り返し解き、実際の試験でどのように出題されるのかを確認しながら学習を進めてください。
