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【賃貸不動産経営管理士試験対策】賃貸住宅管理業法の「解釈・運用の考え方」をわかりやすく解説!

賃貸不動産経営管理士
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この法律は、賃貸住宅管理業(いわゆる賃貸管理業務)を行う事業者の適正な運営と、入居者・賃貸人(オーナー)の利益保護を図るための枠組みを示しています。特に賃貸管理業務を受託・実行する際の制度設計・義務・登録・義務者区分などが出題可能性の高い論点です。


1.基本的な定義・対象となる「賃貸住宅」等

  • 「賃貸住宅」とは、「賃貸借契約を締結して賃借することを目的とした、人の居住の用に供する家屋または家屋の部分」です。
    つまり、オフィス・倉庫など居住用でない用途の家屋は本法の「住宅」には該当しません。
  • 「家屋又は家屋の部分」とは、戸建て・アパート一棟(家屋)や、マンションの一室(家屋の部分)などを含みます。
  • また、建築中や賃貸借契約が未締結でも「賃貸借を予定しており居住用に供される見込み」があれば「賃貸住宅」に該当するケースがあります。
  • 他方、「人の生活の本拠として使用する目的以外の目的に供されている住宅(例:旅館業法・住宅宿泊事業法の届出対象の宿泊設備等)」は、居住用住宅としての「賃貸住宅」には該当しません。

2.「賃貸住宅管理業」の業務範囲・委託要件

  • 本法で定義される「賃貸住宅管理業を営む」とは、営利の意思を持って 反復・継続的に 賃貸住宅管理業務を行うことを意味します。
  • 管理業務とは、少なくとも次の2項目を含む必要があります。
    1. 「賃貸住宅の維持保全」… 玄関・通路・階段等の共用部分、使用と密接な設備(電気・水道・エレベーター等)の点検・清掃・修繕まで一貫して行うこと。
    2. 「家賃・敷金・共益費その他の金銭の管理」… ただし、この金銭管理のみを行うものは「賃貸住宅管理業」には該当しません。維持保全と併せて行われることが条件です。
  • また、「委託を受けて」という文言は、契約形式・名称の有無にかかわらず、実務上オーナーの代行として維持保全業務を実態的に行っていれば該当します。

3.登録義務・登録すべき事業者・管理戸数の基準

  • 本法では、賃貸住宅管理業を営む者について 登録制 を導入しています。登録を受けていなければ「賃貸住宅管理業を営む」ことができません。
  • 登録義務が発生する基準として、「管理戸数が200戸以上」の規模の管理業者は登録を受けねばならない旨が明記されています。
    • 例えば、シェアハウス10部屋を管理している場合、空室も含め戸数10戸としてカウントされます。
  • 登録申請にあたっては、登録免許税9万円(申請1件あたり)を納付するなどの手続があります。
  • 登録申請後、通常90日以内を目安に処分がなされます(適正申請の場合)。

4.事業運営上の主な義務・制度上の要点

  • 登録を受けた賃貸住宅管理業者は、契約前の重要事項説明(管理受託契約の締結前)を行う義務があります。説明は、業務管理者または一定の実務経験を有する者の監督の下で行われることが望まれています。
  • 業務管理者の配置義務・実務経験・専任性の要件等も定められています。例えば、実務経験2年以上、または指定講習修了者が該当します。
  • 財産的基礎の確保も義務付けられており、負債総額が資産を上回っていても、直近2年間の純利益実績等があれば「財産及び損益の状況が良好」と認められるケースがあります。
  • 営業所・事務所ごとに適切な数の業務管理者を配置することなど、管理品質確保の観点から実務的な運営体制整備が求められています。

5.賃貸不動産経営管理士試験で押さえておきたい論点

論点要点まとめ
対象「賃貸住宅」居住用住宅を賃貸するもの。オフィス・倉庫用途は除外。
管理業務の範囲維持保全+金銭管理が基本。金銭管理のみは対象外。
登録義務の有無管理戸数200戸以上で登録義務。登録なしに業を営めない。
重要事項説明管理受託契約前に説明義務あり。業務管理者等が関与。
実務体制・財産基盤業務管理者配置、財務健全性、実務経験などが登録要件。

6.例題

問題:
次の記述は「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」に関するものです。正しいものはどれか。

A. 賃貸住宅管理業とは、金銭の管理のみを行う業務を指す。
B. 管理戸数が200戸未満の管理業者には登録義務が絶対にない。
C. 登録申請を行った後、原則として90日以内に処分がされる。
D. 「賃貸住宅」とは、オフィス用途の賃貸物件を含む。

正解:C
→ 本法では、原則として登録申請後90日以内を標準処理期間としています。
Aは誤り(維持保全を伴わない金銭管理のみは対象外)
Bは誤り(200戸未満でも登録を受けることが推奨されるが「絶対にない」とはされていません)
Dは誤り(居住用住宅が対象)


まとめ

この法律は、賃貸住宅管理業の登録制度・管理業務の範囲・運営体制といった「管理側」の制度整備に重点を置いています。
賃貸不動産経営管理士としては、特に「管理業務の定義」「登録義務の範囲」「重要事項説明義務」「実務管理体制」の点を理解しておくことが重要です。
試験対策として、出題されやすいキーワード(管理受託契約、維持保全、管理戸数200戸、登録免許税9万円、業務管理者)をしっかり押さえておきましょう。


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