経済産業省から2024年4月2日に「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令」を公布されました。
https://www.meti.go.jp/press/2024/04/20240402001/20240402001.html
かねてから問題になっていた、LPガスの不動産業界における商習慣の見直しがなされるものとなります。
何が問題になってて、どう変わるのかみていきたいと思います。
LPガスの料金上乗せ問題
家庭で主に使用されているガスは東京ガスに代表される、ガス管を通じて供給されている都市ガスと、トラック等で運搬されてくるボンベから供給されるLPガスの2種類があります。
よく賃貸住宅を検討する際、LPガスの物件はガス代が高いから気をつけろ等ということがありますが、地域によっては都市ガスとの価格差が2倍になるということも珍しくないようです。
運搬に関わるコストがかかっているため、そもそもLPガスの方が高くなるのは確かです。ただ、都市ガスと違い参入障壁が低いことから数多くの業者が存在するのですが、他社との差別化を図るために、賃貸住宅のオーナーに対して、住宅に関連する設備、エアコン、ガスコンロ、給湯器などを無償提供することによって、ガスの供給契約を得る業者が多数おります。その設備の費用をLPガス事業者が負担しており、結果として、LPガスの料金に上乗せされ、その上乗せ分は賃貸住宅の入居者が支払うという状況になっておりました。
ですので、必要以上に料金が高いことが問題になっております。

何が、いつから変わるのか
この料金が高くなる商習慣を是正するため、法改正が実施されます。
以下の3つが主な改正点です。
経済産業省「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令」の抜粋です。
(1)過大な営業行為の制限
LPガス事業者が、不動産・建設関係者等に対し、設備貸与や紹介料などの形で過大な利益供与を行うなどの営業行為を抑止するため、正常な商慣習を超えた利益供与の禁止と消費者の事業者選択を阻害するおそれのある、LPガス事業者の切替えを制限するような条件付き契約締結等の禁止の2つが実施されます。
(2)三部料金制の徹底(設備費用の外出し表示・計上禁止)
基本料金、従量料金、設備料金からなる三部料金制(設備費用の外出し表示)が徹底されます。
また、エアコンWi-Fi機器等、LPガスと関係のない設備費用のLPガス料金への計上が禁止となります。賃貸住宅向けLPガス料金においては、ガス器具等の消費設備費用についても計上禁止です。
(3)LPガス料金等の情報提供
賃貸人が入居前にLPガス料金等の情報を入手できるよう、入居希望者へのLPガス料金の事前提示の努力義務が課せられます。
入居希望者からLPガス事業者に対して直接情報提供の要請があった場合は、それに応じることを義務付けています。
施行時期
(1)及び(3):2024年7月2日施行
(2):2025年4月2日施行

最後に
こういった改正点のあった部分については、宅建試験には良く出題されますので、今年受験される場合は、把握しておくべき点です。