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【宅建受験者必見】都心オフィス空室率が5カ月連続低下 「人材獲得投資」で賃料は18カ月連続上昇

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宅建試験の合格を目指す皆さん、こんにちは。

今回は、住宅市場と並行して、不動産業界のもう一つの重要な柱である「オフィス市場」の最新動向について解説します。本日8月7日、オフィス仲介大手の三鬼商事が発表した7月のデータによると、東京の都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)のオフィス空室率が5ヶ月連続で低下し、3.16%となりました。同時に、平均募集賃料は18ヶ月連続で上昇を続けています。この数字の裏には、コロナ禍を経て変化した、企業の新しいオフィス戦略が隠されています。

空室率3.16%へ低下 需要が供給を上回る活況

まず、市場の全体像を掴みましょう。7月の都心5区の空室率は3.16%と、前月からさらに0.21ポイント低下しました。別の調査会社のデータを見ても、2025年4~6月期には、新たに供給されたオフィス面積に対し、その2倍もの新規需要があったと報告されています。つまり、市場に出てくる新しいオフィス以上に、借りたいという企業が多い、完全な「貸し手市場」となっているのです。この傾向は、特に港区や渋谷区などで顕著に見られます。

なぜ今、オフィスの需要はこれほど強いのか

コロナ禍でリモートワークが普及し、一時は「オフィス不要論」まで囁かれましたが、なぜ今、これほど需要が回復・拡大しているのでしょうか。その理由は主に3つ挙げられます。

  1. コロナ禍からの揺り戻し:リモートワークから出社回帰への流れが本格化し、一度縮小したオフィスを元に戻したり、再拡張したりする動きが活発になっています。
  2. 事業拡大に伴う拡張移転:業績が好調な企業が、人員増加や事業拡大のために、より広いオフィスへ移転したり、新たに分室を開設したりするケースが増えています。
  3. 未完成ビルへの需要波及:既存のビルの空室が少なくなってきたため、広い面積を確保したい企業は、まだ完成していない「建築中のビル」のフロアを、完成前に契約する「先行契約」に動かざるを得ない状況になっています。

18カ月連続上昇「平均賃料」の動向

旺盛な需要と、それを満たしきれない供給。このバランスが、賃料に直接反映されています。都心5区の平均募集賃料は、1坪あたり2万907円となり、これで18ヶ月連続の上昇です。この1年間だけで、坪単価は873円(4.36%)も上がりました。企業は、より高い賃料を支払ってでも、オフィスを確保したいと考えているのです。

企業の意識変化「オフィスは人材獲得への投資」

では、なぜ企業は賃料の上昇を受け入れてまで、都心に良質なオフィスを構えようとするのでしょうか。その背景には、深刻な「人手不足」があります。

現代の企業経営において、優秀な人材を確保・維持することは最重要課題の一つです。そして、通勤しやすく、快適で、最新の設備が整った魅力的なオフィスは、従業員の満足度を高め、優秀な人材を引きつけるための強力な武器となります。もはやオフィスは単なる「コスト」ではなく、人材獲得のための「投資」である。このような経営者の意識変化が、賃料の上昇許容度を高めているのです。

宅建士が知るべき「事業用不動産」市場の視点

宅建試験の学習は、個人の居住用不動産(住宅)に関する内容が中心となりがちです。しかし、実社会の不動産業界では、オフィスや店舗、倉庫といった「事業用不動産」の仲介や管理も、非常に大きな市場を形成しています。

今回のニュースから学べる最も重要なことは、事業用不動産の需要が、個人の住宅需要とは全く異なるロジックで動くという点です。住宅は「世帯収入」や「ライフステージ」に左右されますが、オフィスは「企業業績」や「事業戦略」、そして今回のように「人材戦略」にまで大きく影響されます。

こうした事業用不動産ならではの市場力学を理解しておくことは、皆さんの将来のキャリアの幅を広げ、より深い知見を持った不動産のプロフェッショナルになるために、必ず役立つ知識となるでしょう。

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