宅建試験の合格を目指す皆さん、こんにちは。
今年もこの季節がやってきました。相続税や贈与税の算定基準となる「路線価」が国税庁から発表されました。今年の大きなニュースは、全国の標準宅地の平均が前年比で2.7%上昇し、これで4年連続の上昇となったことです。この上昇率は、現行の評価方法が導入された2010年以降で最大となっており、不動産市場の動向を読み解く上で非常に重要な指標となります。

なぜ地価は上がり続けているのか?その背景を探る
今回の路線価上昇の背景には、いくつかの要因が複合的に絡み合っています。まず、都心部を中心に進む再開発事業が地価を押し上げています。また、コロナ禍からの経済活動の正常化が進み、インバウンド(訪日外国人)需要が急速に回復していることも大きな要因です。特に観光地やリゾート地では、ホテルや商業施設の需要が高まり、地価上昇が顕著に見られます。低金利が続いていることで、国内外の投資家による不動産投資意欲も依然として強い状況です。

上昇が目立つエリア、その特徴とは
都道府県別で見ると、35の都道府県で上昇が見られました。最も上昇率が高かったのは東京都の8.1%、次いで沖縄県の6.3%でした。都心部ではオフィスの空室率が低下し、店舗需要も拡大していることが影響しています。
また、個別の地点で上昇率が特に高かったのは、リゾート地として絶大な人気を誇る長野県白馬村で、なんと前年比32.4%もの大幅な上昇を記録しました。北海道富良野市や東京の浅草なども、インバウンド人気を背景に高い上昇率を示しています。

宅建試験と路線価の切っても切れない関係
ご存知の通り、路線価は宅建試験の「税・その他」の分野で非常に重要なキーワードです。相続税や贈与税の計算において、土地の評価額を算出する際に用いられます。特に「路線価方式」は頻出項目であり、その年の動向を把握しておくことは、単なる知識の暗記に留まらず、より実践的な理解につながります。今回の「全国平均で4年連続上昇」というニュースは、現在の不動産市場が活況であることを示すものであり、試験問題の背景を理解する上でも役立つはずです。

日本で最も高価な場所は今年も「銀座」
最後に、これも宅建受験者としては押さえておきたい豆知識です。全国で最も路線価が高い場所は、40年連続で東京・銀座の「鳩居堂前」となりました。その価格は1平方メートルあたり4808万円で、前年から8.7%上昇しています。まさに日本の土地の価値を象徴する場所と言えるでしょう。このような象徴的な地点の動向も、不動産市場全体のトレンドを掴むヒントになります。
今年の路線価の動向は、経済の回復と変化を色濃く反映したものとなりました。試験勉強は大変ですが、こうしたリアルタイムの経済ニュースと関連付けることで、知識はより深く、面白く身につくはずです。頑張っていきましょう。
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