今回は、宅建試験の重要テーマの一つである「宅地」の定義について解説します。宅地建物取引業法(以下「宅建業法」)における「宅地」とは何かを正しく理解することは、最も基本的な所であり、試験の得点アップにつながります。過去問も交えて詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください!
宅建試験合格のポイントについては以下で解説しています。

1. 宅建業法における「宅地」の定義
宅建業法第2条における「宅地」の定義
宅建業法では、「宅地」の定義について次のように規定されています。
宅建業法第2条1号
この法律において「宅地」とは、建物の敷地に供せられる土地及び建物の敷地に供する目的で取引される土地をいう。
つまり、「宅地」とは以下の3つのいずれかに該当する土地を指します。
- 建物の敷地として利用されている土地(例:住宅の敷地、ビルの敷地)
- 将来建物の敷地として利用する目的で取引される土地(例:開発予定の住宅地、造成中の宅地)
- 用途地域内の土地(都市計画法上の用途地域内であれば、現在建物が建っていなくても宅地とみなされる)
2. 宅地に該当する具体例
宅地に該当するケース
✅ 用途地域内の土地は基本的に宅地とみなされる
→ たとえ農地や駐車場として使われていても、用途地域内にある土地は宅地に該当します。
✅ すでに建物が建っている土地
→ 用途地域外であっても住宅の敷地や商業ビルの敷地などは宅地に該当します。
✅ 更地でも宅地に該当することがある
→ 例えば、開発分譲地の区画や、建物を建てる目的で売買される土地はこれらも用途地域外でも宅地となります。
宅地に該当しないケース
❌ 用途地域内の道路・公園・河川・広場・水路の用地
→ 例え用途地域内であってもこれらは例外的に宅地には該当しません。
❌ 用途地域外の農地や山林
→ 用途地域外であり、かつ建物を建てる目的がない場合は宅地ではありません。
3. 過去問でチェック! 宅地の定義を確実に理解しよう
【過去問1】平成27年(2015年)問1
Q. 次のうち、宅建業法上の「宅地」に該当するものはどれか。
- 市街化区域内の農地で、現状は農業利用されているが、将来宅地開発が予定されているもの
- 市街化調整区域内の農地で、建物を建てる予定がなく、農地として売買されるもの
- 都市計画区域外の山林で、今後も開発の予定がないもの
- 公共の公園として指定されている土地
【解答】
正解:1
→ 市街化区域内の農地であるため宅地に該当します。なお将来宅地開発が予定されていなくとも宅地に該当します。
【過去問2】平成30年(2018年)問2
Q. 次のうち、宅建業法上の「宅地」に該当しないものはどれか。
- 現在駐車場として利用されている土地(用途地域内)
- 既存の住宅が建っている土地
- ゴルフ場として長年利用されており、今後もその用途で使われる予定の土地(用途地域外)
- 開発許可を受けた宅地造成中の土地
【解答】
正解:3
→ ゴルフ場として利用され、今後もその用途のままのため、「宅地」には該当しません。
4. まとめ
宅建業法における「宅地」の定義は、試験でもよく出題されるポイントです。特に、以下の点を押さえておきましょう。
✅ 用途地域内の土地は、現在の用途に関係なく「宅地」に該当する
✅ 用途地域外であっても建物が建っている土地は「宅地」
✅ 用途地域外で更地でも将来建物が建つ目的で取引されるなら「宅地」
✅ 用途地域内の道路・公園・河川・広場・水路は例外的に「宅地」に該当しない
過去問を活用しながら、しっかり理解を深めていきましょう!