首都圏のマンション価格が上昇し続けるなか、戸建住宅の需要が急激に拡大しています。
2025年には、新築・中古ともに戸建の成約件数が大幅に増えるという動きが見られました。
宅建試験の受験者にとっても、住宅市場のトレンドを理解することは、実務知識や応用問題の理解に役立ちます。今回は最新データをもとに「戸建人気の理由」を整理していきます。
■ 新築戸建の成約件数は前年の“約4倍”に急増
東日本レインズのデータによると、
2024年9月の新築戸建成約件数は「403件」でしたが、
2025年9月には「1,642件」へ増加し、約4.1倍となりました。
2025年に入り、
- 1月:1,000件超
- 2月:1,500件
- その後も1,000件台を維持
- 9月:過去最高の1,600件台
という、過去に例のない水準で推移しています。
さらに、新築だけでなく中古戸建も好調です。
2025年2月には成約件数が1,690件、3月には2,196件と急増。
前年同月比で40〜60%増が続いています。
■ マンション高騰による「戸建の割安感」
成約増加の最大の理由は、マンション価格の高騰です。
● 平均価格の比較(首都圏)
- 新築マンション:8,135万円
- 中古マンション:4,939万円
- 新築戸建住宅:4,439万円
- 中古戸建住宅:3,939万円
→ 新築マンションと比べて、新築戸建は54.6%の価格で購入可能。
● ローン負担の差も大きい
自己資金1000万円のケースで比較:
- 新築マンション:ローン7,000万円 → 月23.1万円
- 新築戸建住宅:ローン3,500万円 → 月11.5万円
返済額はほぼ半分。
銀行の返済負担率(35%)を基準にすると、
マンション購入には800万円近い年収が必要ですが、
戸建なら400万円弱で可能になります。
これだけの差があれば、戸建へ流れるのは自然な動きといえます。
■ コロナ禍で変わった暮らし方も戸建人気を後押し
2020年以降のテレワーク普及で、
- 自宅で過ごす時間が長くなった
- ワークスペースが必要
- 趣味・子育てスペースも確保したい
といったニーズが急増しました。
● 専有面積の違い
- マンション:60~70㎡が中心
- 戸建:100㎡前後を確保できるケースも多い
在宅時間の増加により「広さ」への需要が高まり、マンションより戸建が選ばれる傾向が強まりました。
また、戸建は駅から距離がある物件も多いですが、
出社が減ったことで“駅近でなくても問題ない”という人が増えたことも理由の一つです。
■ 物価高・賃金停滞も追い風に
マンション価格は資材費高騰の影響を強く受けていますが、
戸建は比較的価格上昇がゆるやか。
物価高が続く中で「買える家」を選ぶと、より安い戸建の魅力が増しています。
■ 賃貸・投資市場にも波及。戸建投資が増えている
戸建需要の高まりは「投資市場」にも影響しています。
- ハウスメーカーやビルダーが投資用戸建の開発に力を入れる
- 中古戸建を買い取り、リノベして賃貸に出す企業も増加
→ 今後は戸建投資市場が活発化し、
投資家同士の競争が激しくなる可能性もあります。
宅建業者としての実務では、
“戸建投資ニーズの増加”を理解しておくことで提案の幅も広がります。
■ 宅建試験に役立つポイント整理(受験者向け)
今回の市場動向から、宅建試験に関連するポイントを抽出すると:
✔ 価格・市場動向は住宅需要に直結する
→ 特に「マンション高騰 → 戸建需要増」の関係性は実務で重要
✔ 成約件数は景気・価格の変動で大きく動く
→ 市場の流れを読む力は試験の事例問題にも役立つ
✔ 戸建の方がローン負担が軽い
→ 住宅ローンや返済比率の理解にもつながる
✔ 投資用戸建の増加
→ 宅建業者としての取引対象が広がる
■ まとめ:マンション離れは当面続き、「戸建人気」は定着へ
- 新築戸建の成約件数は前年の4倍以上
- 中古戸建も40〜60%の伸び
- マンションとの差額は大きく、返済負担でも優位
- ライフスタイルの変化で「広さ」が重視
- 戸建投資も活発化
こうした理由から、戸建住宅人気の流れはしばらく継続すると予測されます。
宅建試験の学習でも、市場動向への理解は実務的な視点を養う上で役立ちます。ぜひ参考にしてください。


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