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宅建試験で頻出の印紙税と登録免許税の仕組みを徹底解説 課税対象と非課税文書の違いから軽減税率まで例題付きで完全マスター

宅建
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宅建試験では、税金に関する問題が毎年出題されており、中でも「印紙税」と「登録免許税」は登記や契約の場面と密接に関係している重要なテーマです。
実務的にも重要なこれらの税制度を、宅建試験対策として効率よく理解するために、基礎知識から特例、過去問に出やすい論点まで丁寧に解説していきます。


印紙税の基本と納付方法

印紙税は、契約書や領収書など一定の文書を作成した際に課税される国税です。

  • 課税文書を作成した者が納税義務者
  • 納付は、文書に印紙を貼って消印(割印)または署名
  • 消印漏れ・未納は過怠税の対象

【過怠税の例】
・印紙を貼らない → 本来の税額の3倍課税
・自ら申告 → 1.1倍に軽減
・消印漏れ → 本来の税額と同額


印紙税の課税対象と非課税文書

印紙税が課される主な「課税文書」は以下の4つです。

文書の種類号数
不動産売買・賃貸借契約書1号文書土地の売買契約・賃貸借契約書など
建築請負契約書2号文書建物工事契約など
領収証17号文書売上代金の受取書など

一方、以下のような文書には印紙税は課されません

  • 建物の賃貸借契約書
  • 不動産売買の媒介契約書(委任契約)
  • 記載金額5万円未満の領収証
  • 国や地方公共団体が作成した文書

補足:写しや変更契約書にも注意

  • 単なるコピーは課税文書に該当しない
  • 契約の効力を証明するために署名・押印がある写しは課税対象
  • 契約金額や期間など「重要事項」を変更した契約書も課税対象

印紙税の課税標準と記載金額の考え方

課税標準は文書に記載された金額(=記載金額)により決まります。

記載金額の判断例

  • 土地売買契約書:売買金額
  • 請負契約書:請負金額
  • 領収証:受取金額(※5万円未満は非課税)
  • 贈与契約書:記載金額なし → 200円の印紙税

注意点の例

  • m²単価表示:面積×単価で計算し記載金額とみなす
  • 交換契約:高い方の不動産額が記載金額
  • 契約変更書(増額):増額分が記載金額
  • 契約変更書(減額):記載金額なし → 200円の印紙税
  • 敷金・保証金:後日返還されるものは記載金額にならない

実力チェック!印紙税の例題にチャレンジ

例題1:次のうち、印紙税が課税されるものはどれか?

ア.不動産売買の媒介契約書
イ.売買代金50万円の契約書の写し(署名あり)
ウ.記載金額4万円の領収証
エ.住宅ローン契約書

正解:イ
(署名付きの写しは契約証明文書として課税対象)


登録免許税の基本と納付義務者

登録免許税は、登記を受ける際に課される国税です。

  • 課税対象:登記そのもの
  • 課税主体:
  • 原則、登記の権利者(受ける側)が納税義務者
  • 売買による所有権移転登記などでは、義務者と連帯して納税

登録免許税が課されない例

  • 登記を受ける者が国・地方公共団体・公益法人などの場合(例外的に非課税)

登録免許税の対象登記と税率の概要

試験で出題されやすい主な登記とその概要を確認しておきましょう。

登記の種類内容備考
所有権保存登記新築建物等に初めて所有権を設定登記義務者なし
所有権移転登記売買・相続・贈与など売主・買主連帯
抵当権設定登記融資時に金融機関が設定金融機関が権利者
地上権・賃借権設定登記借地などで登記を行うとき借主が権利者

住宅に関する登録免許税の軽減税率

以下の条件をすべて満たす場合、軽減税率が適用されます。

軽減税率の要件

  1. 個人が自ら居住する目的で取得した住宅
  2. 登記簿面積が50㎡以上
  3. 新築または取得後1年以内の登記
  4. 中古住宅の場合、耐震基準適合(昭和57年以降)

※売買・競売で取得したものに限る(相続・贈与は対象外)


実力チェック!登録免許税の例題にチャレンジ

例題2:次のうち、登録免許税の軽減措置が適用されないケースはどれか?

ア.床面積55㎡の新築住宅を取得し、1年以内に所有権移転登記を行う
イ.法人が賃貸用に購入した住宅
ウ.個人が自己居住用として昭和58年築の中古住宅を取得し登記
エ.個人が新築住宅を取得し、床面積80㎡、登記済み

正解:イ
(法人取得は軽減措置の対象外)


まとめ

印紙税と登録免許税は、登記や契約の手続きに密接に関係する重要な税目です。特に宅建試験では、「どの文書に印紙税が課税されるか」「登録免許税の軽減要件」などが引っかけ問題として出題されやすいため、以下のポイントをしっかり押さえましょう。

印紙税の学習ポイント

  • 何号文書が課税対象になるか、非課税文書との違い
  • 記載金額の判断方法と契約変更時の取り扱い
  • 過怠税の額と条件

登録免許税の学習ポイント

  • 登記の種類と納税義務者の関係
  • 表示登記は非課税であること
  • 住宅用建物に関する軽減税率の4条件
  • 贈与・相続取得は特例対象外であること

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