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【賃管試験 受験者必見】新築マンション1.3億円時代が「賃貸経営」に与える重大な影響とは?

賃貸不動産経営管理士
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宅建試験を終え、11月の「賃貸不動産経営管理士試験」に向けて準備を進めている皆様、お疲れ様です。

最近、不動産市場の現状を強烈に示す、衝撃的なニュースがありましたので紹介します。不動産経済研究所の調査によると、今年上半期の東京23区の新築マンション平均価格が、1億3309万円となり、過去最高を更新したのです。

この「異常」とも言える価格高騰は、もはや「家を買う」話だけにとどまりません。これは、皆さんがプロフェッショナルを目指す「賃貸経営・管理」の市場に、3つの重大な影響を及ぼします。賃管試験の重要論点と絡めながら、その影響を深掘りしていきましょう。

ニュースの衝撃:「買う」という選択肢の消滅

まず、事実の確認です。

  • 東京23区:1億3309万円(前年同期比20.4%上昇)
  • 首都圏全体:9489万円(過去最高を大幅更新)

原因は、土地代、建設資材、人件費の全てが高騰しているためです。そして調査会社は「高値傾向が続くとみられる」と予測しています。

これは、多くのファミリー世帯や一般的な所得層にとって、「新築マンションを買う」という選択肢が、現実的に消滅しつつあることを意味します。

影響①:「賃貸需要」の爆発的増加と「貸し手市場」の到来

「買えない」人々は、どこへ行くのでしょうか?答えは一つです。彼らは賃貸市場に留まる、あるいは新たに流入してきます。

これまで「家賃がもったいないから、30代で家を買おう」と考えていた層が、購入を諦めざるを得ません。その結果、特に質の高いファミリー向け賃貸物件や、利便性の高い都心の賃貸物件への需要が急激に高まります。

これは、賃貸市場が「借り手市場」から「貸し手市場」へと本格的にシフトすることを意味します。

影響②:「賃料」の本格的な上昇トレンド入り

需要が増えれば、価格(=家賃)が上がるのが経済の原則です。賃管試験の受験者として、この「賃料」の動向には最も敏感でなければなりません。

  1. 既存物件の賃料上昇圧力空室率が低下し、入居希望者が増えれば、オーナー(貸主)は当然、新規募集賃料を引き上げますし、既存の入居者に対しても「賃料増額請求」(借地借家法32条)を検討し始めます。賃管試験の重要論点である「借賃増減請求権」は、まさにこの経済情勢の変動(物価や近隣相場の上昇)を根拠としています。不動産管理業者は、オーナーに代わって、この賃料増額の交渉や実務を行う中心的な役割を担うことになります。
  2. 高額な「投資用物件」が賃料相場を押し上げる1.3億円の物件を買っているのは誰でしょうか?その多くは、富裕層や海外投資家です。彼らが投資目的で購入した高額なマンションが賃貸市場に出てくると、投資額を回収するために、当然ながら非常に高い賃料が設定されます。これらの高額な新規募集物件が、市場全体の平均賃料をじわじわと押し上げていくのです。

影響③:「管理コスト」も同時に高騰しているという現実

賃管試験の受験者として、最も注意すべき点がこれです。

ニュースは、マンション価格高騰の原因を「建設資材価格、人件費の高騰」としています。これは、新築分譲マンションだけの話ではありません。

皆さんが管理する賃貸アパートやマンションの「大規模修繕」や「日常のメンテナンス費用」も、全く同じ理由で激しく高騰しているのです。

つまり、賃貸経営は「家賃(収入)は上げやすいが、経費(支出)も爆発的に増えている」という、非常にシビアな局面に突入しています。

賃管士に求められる「プロの経営判断」

この市場環境は、賃貸不動産経営管理士の腕の見せ所です。

  1. 高度な「賃料査定」能力オーナーは「家賃を上げたい」、入居者は「家賃を抑えたい」。この板挟みの中で、上昇する市場相場と、高騰する管理コストの両方をオーナーに正確に説明し、利益を最大化する「適正な賃料」を設定・提案する能力が不可欠です。
  2. 「サブリース」における賃料改定の重要性。管理業者として「サブリース(特定賃貸借契約)」を行っている場合、この市場変動は死活問題です。入居者への転貸賃料が上げやすい反面、オーナーへ支払う「借上賃料」の増額交渉も発生します。賃貸住宅管理業法に基づくオーナーへの説明責任は、こうした市場の変動期にこそ、その真価が問われます。
  3. 「長期修繕計画」の抜本的な見直し「建物・設備の維持保全」は賃管試験の最重要分野の一つです。これまでの計画では、高騰した修繕費を到底賄えません。オーナーに対し、長期修繕計画を早急に見直し、修繕積立金の増額や、コストを抑えた工法の選定を提案することが、管理業者としての最大の責務となります。

まとめ

「新築マンション1.3億円」というニュースは、遠い世界の出来事ではありません。それは、「賃貸需要の増加」「賃料の上昇」「管理コストの高騰」という形で、皆さんがこれから携わる賃貸管理業務に直結しています。

オーナーの資産を守り、収益を最大化するために、法律・設備・経営の知識を総動員するまさに賃管士の専門性が試される時代の到来です。試験本番まで残り1ヶ月、このリアルな市場動向を意識しながら、学習の総仕上げを頑張りましょう!

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