「家賃保証があるから安心」
この言葉をうのみにしてしまうと、宅建試験でも実務でも大きな落とし穴にはまります。
サブリース契約は、一見オーナーに有利な仕組みに見えますが、法律上はサブリース会社が強く保護される構造になっています。
さらに近年は、裁判例の考え方にも変化が見られ、試験対策としても押さえておきたい論点が増えています。
本記事では、宅建試験で確実に点を取るための視点で、サブリース契約の重要ポイントと最新の考え方を整理します。
サブリース契約とは?【まずは基本構造を確認】
サブリース契約とは、オーナーが建物をサブリース会社に貸し、その会社が入居者へ又貸しする契約です。
つまり、法律関係は次のようになります。
- オーナー → サブリース会社:賃貸借
- サブリース会社 → 入居者:転貸借
このように、**サブリース契約は「転貸借契約」**に該当します。
ここで重要なのは、法律上の「借主」はサブリース会社であるという点です。
借地借家法は適用されるのか?【頻出論点】
結論から言うと、サブリース契約にも借地借家法は適用されます。
過去の最高裁判例でも、サブリース会社が建物の借主である以上、借地借家法の保護を受けることが明確に認められています。
そのため、
- 事業用の契約だから
- オーナーと業者の契約だから
といった理由で、借地借家法の適用が否定されることはありません。
👉 「事業用=借地借家法が適用されない」という選択肢は、宅建試験では誤りです。
家賃保証なのに減額される?【借地借家法32条】
サブリース契約で最もトラブルになりやすいのが、家賃の減額請求です。
借地借家法32条では、借主に「賃料減額請求権」が認められています。
サブリース契約では、この借主がサブリース会社となります。
賃料減額が認められる理由
- 近隣相場が下落した
- 空室が増えた
- 経済事情が変動した
このような事情があれば、サブリース会社はオーナーに対して、家賃の引き下げを請求できます。
契約書に「減額しない」と書いてあっても?
契約書に
「賃料は減額しない」
と記載されていても、それが借主に不利な内容であれば、無効と判断される可能性があります。
👉 家賃保証=家賃固定ではない
この点は宅建試験で非常に狙われやすいポイントです。
オーナーからの解約はできるのか?【借地借家法28条】
サブリース契約では、オーナー側からの解約は原則として簡単ではありません。
借地借家法28条により、建物賃貸借を解約するには、**「正当事由」**が必要とされるからです。
正当事由の判断要素
- 建物を使用する必要性
- 契約に至った経緯
- 建物の老朽化状況
- 立退料の支払いの有無
これまでの裁判例では、建替えや老朽化といった理由があっても、正当事由が否定されるケースが多く、オーナーが不利な状況が続いていました。
令和以降の裁判例に見る変化【最新傾向】
近年、特に令和元年以降の裁判例では、サブリース契約に対する裁判所の考え方に変化が見られます。
サブリース契約を、
「居住者保護の契約」ではなく、「事業者間の取引」
として捉える傾向が強まってきたのです。
その結果、
- 一定額の立退料・違約金を支払うことを条件に
- オーナー側からの解約を認める
という裁判例も複数登場しています。
ただし、立退料の金額については、家賃の数か月分から1年分程度まで幅があり、明確な基準は存在しません。
あくまでケースバイケースで判断されます。
それでも残るサブリース契約のリスク
裁判例の流れが変わりつつあるとはいえ、リスクがなくなったわけではありません。
家賃減額請求リスク
- 相場下落
- 入居率悪化
- これらを理由に、減額請求を受ける可能性は今も残っています。
違約金条項に注意
契約書には、
- 「協議のうえ見直す」
- 「相場に応じて変更する」
といったあいまいな表現が使われていることが多く、トラブルの原因になりがちです。
宅建試験で押さえるべきポイントまとめ
- サブリース契約は転貸借契約
- 借主はサブリース会社
- 借地借家法は適用される
- 賃料減額請求権は排除できない
- オーナーからの解約には正当事由+立退料が重要
まとめ|家賃保証という言葉に惑わされない
サブリース契約は、宅建試験でも実務でも頻出のテーマです。
「家賃保証」という言葉だけを見ると安全に感じますが、法律上の実態は大きく異なります。
近年は裁判例の流れが変わりつつあるとはいえ、契約内容次第でオーナーの立場は大きく左右されます。
宅建試験では、
「誰が借主か」「どの条文が適用されるか」
この2点を常に意識して問題を解くようにしましょう。

