不動産賃貸業や不動産管理業など、不動産事業を始める際には、税務署へ「開業届」を提出するのが一般的です。
本記事では、不動産事業を始める方に向けて、開業届の基本から提出方法、記入時の注意点まで分かりやすく解説します。
開業届とは何か
開業届とは、正式名称を「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、個人で事業を開始したことを税務署へ届け出る書類です。
不動産事業の場合、以下のようなケースが該当します。
- アパート・マンションなどの不動産賃貸業
- 不動産管理業
- 不動産仲介業(宅建業免許取得後)
- 不動産関連のコンサルティング業
会社員が副業として不動産賃貸業を始める場合でも、開業届を提出することができます。
開業届の提出が必要なタイミング
開業届は、事業を開始してから1か月以内に提出することとされています。
不動産事業の場合、次のような日を「開業日」とするのが一般的です。
- 初めて賃貸借契約を締結した日
- 実際に賃料収入が発生した日
なお、期限を過ぎても罰則はありませんが、青色申告を予定している場合は早めの提出が重要です。
開業届の提出先
提出先は、納税地を管轄する税務署です。
- 自宅を納税地とする場合:自宅住所を管轄する税務署
- 事務所を構える場合:事務所所在地を管轄する税務署
どこに提出すればよいか不明な場合は、国税庁のホームページで確認できます。
開業届の提出方法は3つ
開業届の提出方法は、次の3つがあります。
税務署の窓口へ持参
税務署の窓口に直接提出する方法です。
控えを持参すれば、受付印を押してもらえるため、証拠を残したい方におすすめです。
郵送で提出
開業届の原本と控え、返信用封筒(切手貼付)を同封して郵送します。
後日、受付印が押された控えが返送されます。
e-Tax(オンライン提出)
マイナンバーカードを利用して、e-Taxからオンライン提出も可能です。
自宅から手続きできるため、忙しい方に向いています。
不動産事業における開業届の書き方ポイント
職業欄の記載例
- 不動産賃貸業
- 不動産管理業
事業の概要の書き方
具体的に記載するのがポイントです。
例:
「アパート・マンション等の不動産賃貸業」
「賃貸用不動産の管理業務」
開業日の考え方
実際に事業を開始した日を記入します。
細かく悩みすぎる必要はありません。
青色申告を希望する場合は要注意
不動産事業では、青色申告を利用することで節税効果が高まります。
そのため、開業届とあわせて
「青色申告承認申請書」を提出するのがおすすめです。
- 提出期限:原則、開業から2か月以内
- 条件を満たせば最大65万円控除が可能
賃貸規模や帳簿の付け方によって控除額が異なる点には注意が必要です。
開業届を提出するメリット
不動産事業で開業届を提出するメリットは多くあります。
- 事業として経費計上しやすくなる
- 青色申告が可能になる
- 赤字の場合、損益通算ができる可能性がある
- 金融機関や取引先への事業証明になる
特に節税面でのメリットは大きいと言えます。
開業届を出さなくても問題はある?
開業届を提出しなくても、法律違反になるわけではありません。
しかし、
- 青色申告が利用できない
- 税務上、事業としての説明がしづらくなる
といったデメリットがあるため、不動産事業を本格的に行う場合は提出しておくのが無難です。
不動産事業ならではの注意点
- 規模によって「不動産所得」と「事業所得」の扱いが変わる可能性があります。一般的には5棟10室以上の規模があると事業所得になります。
- 消費税の課税・免税判定は別途確認が必要です
- 不動産仲介業を行う場合は、開業届とは別に宅建業免許が必要です
税務上の扱いに不安がある場合は、税理士へ相談するのも一つの方法です。
まとめ
不動産事業を始める際の開業届は、事業のスタートを公的に示す重要な手続きです。
特に青色申告を活用したい方は、早めに提出しておくことをおすすめします。
これから不動産事業を始める方は、ぜひ本記事を参考に、スムーズなスタートを切ってください。
