近年、「不動産価格は高すぎる」「そろそろバブル崩壊ではないか」という声をよく耳にします。
特に、日銀の金融政策修正や金利上昇の話題が出るたびに、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
実はこの構図、2020年の東京オリンピック前にも非常によく似た議論がありました。
本記事では、
- 本当に不動産バブルは崩壊するのか
- 2020年「オリンピックまで上がる」と言われていた頃との違い
- 今後の不動産市場で注意すべきポイント
について、分かりやすく解説します。
結論:不動産バブルは「一斉崩壊」しない可能性が高い
まず結論からお伝えします。
現在の日本の不動産市場が、バブル期のように全国一律で一気に崩壊する可能性は低いと考えられます。
ただし、すべての不動産が安全というわけではありません。
今後起こりやすいのは、
「バブル崩壊」ではなく「価格の二極化・選別」です。
そもそも今の不動産市場はバブルなのか?
「価格が上がっている=バブル」と考えがちですが、実際には状況が異なります。
バブル期(1980年代)との違い
バブル期と現在を比較すると、次のような大きな違いがあります。
- バブル期:値上がり益目的の投機が中心
- 現在:実需(居住用)とインカム(家賃収入)が中心
また、金融機関の融資姿勢も大きく異なります。
- バブル期:担保重視で融資が緩い
- 現在:返済能力・年収・収支計画を厳しくチェック
このため、価格上昇はしているものの、実体のないバブルとは言いにくい状況です。
2020年「オリンピックまで上がる」論を振り返る
当時よく言われていた話
2015年〜2019年頃、不動産業界では次のような意見が主流でした。
- 東京オリンピックまでは不動産価格が上がる
- オリンピックが終わったら暴落する
- 外国人投資家が撤退したら終わり
不安を感じた方も多かったはずです。
実際に起きたこと
しかし、現実は予想と異なりました。
- オリンピックは延期(コロナ禍)
- にもかかわらず、不動産価格は暴落しなかった
- その後、2021年以降はむしろ価格上昇が加速
「オリンピック後に崩壊する」という見方は、結果的に外れたのです。
なぜ予想は外れたのか?
理由は明確です。
不動産価格を支えたのは、
オリンピックというイベントではなく、金融環境と需給バランスでした。
- 超低金利政策
- 住宅ローン減税などの政策支援
- 建築費高騰による供給制限
- 都市部の実需の強さ
イベントはあくまで「きっかけ」であり、本質ではなかったのです。
なぜ今また「不動産バブル崩壊論」が出ているのか
現在、崩壊論が再び注目されている背景には、主に3つの要因があります。
① 金利上昇への警戒感
日銀の金融政策修正により、
- 住宅ローン金利の上昇
- 投資用不動産の利回り悪化
が意識されるようになりました。
短期的には価格調整圧力がかかる可能性があります。
② 建築費・維持費の高騰
- 新築マンション価格の高止まり
- 管理費・修繕積立金の上昇
これにより、割高な物件は買い手がつきにくくなる状況が生まれています。
③ 人口減少という構造問題
特に地方や郊外では、
- 空室率の上昇
- 家賃が上がらない
といった問題が顕在化しています。
「どこでも値上がりする時代」はすでに終わっています。
今後の不動産市場は「二極化」が進む
今後の不動産市場を一言で表すなら、二極化です。
価格が維持・上昇しやすい不動産
- 都心・準都心エリア
- 駅近で利便性が高い物件
- 賃貸需要が安定している
- 修繕計画が健全なマンション
価格が下落しやすい不動産
- 利回りだけで買われた投資物件
- 人口減少エリアの物件
- 修繕積立金不足の築古マンション
- 金利上昇に耐えられない収支計画
投資家・マイホーム購入者が取るべき姿勢
不動産投資の場合
- 値上がり益前提は危険
- キャッシュフロー重視
- 金利上昇時の返済余力を確認
マイホーム購入の場合
- 短期売却を前提にしなければ過度な心配は不要
- 立地と資産性を重視
- 無理な借入を避ける
まとめ:2020年の教訓をどう活かすか
2020年の「オリンピック後暴落論」から学べる最大の教訓は、
不動産価格を決めるのはイベントではなく、金融と需給である
という点です。
現在も同じ構造にあります。
- 金利は上がるが急激ではない
- 実需は依然として存在
- ただし、すべての不動産が守られるわけではない
最終結論
不動産バブルが一斉に崩壊する可能性は低い。
しかし、選ばれない不動産は確実に価格調整を受ける。
これからの時代は、「買うか、買わないか」ではなく、
「どこを、どの条件で買うか」が問われる市場と言えるでしょう。

