2025年12月の日銀金融政策決定会合を前に、政策金利の追加利上げ観測が強まっています。
マイナス金利解除以降、金利のある世界へと移行する中で、不動産市場への影響を気にされている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、
- 日銀の利上げが意味するもの
- 住宅・不動産市場全体への影響
- 投資不動産への具体的な影響
- 数値を用いた影響シミュレーション
について、わかりやすく解説します。
日銀の12月利上げ観測とは
現在、市場では日銀が政策金利を0.25%程度引き上げ、0.75%程度にする可能性が高いと見られています。
背景には以下のような要因があります。
- 物価上昇率が目標水準(2%)付近で推移している
- 賃金上昇が継続している
- 金融緩和の副作用(円安・資産価格上昇)への配慮
利上げは一気に大幅に行われるものではなく、段階的・慎重に進められると見られていますが、不動産市場にとっては無視できない変化です。
金利上昇が不動産市場全体に与える影響
住宅ローン金利の上昇
政策金利が上がると、金融機関の資金調達コストが上昇し、
- 変動金利型住宅ローン
- 新規融資金利
を中心に、住宅ローン金利が上昇しやすくなります。
これにより、
- 購入可能額が下がる
- 住宅購入を先送りする人が増える
といった動きが想定されます。
不動産価格への影響
金利が上昇すると、一般的に以下の力が働きます。
- 購入需要の減少
- 投資利回りの見直し
結果として、不動産価格の上昇ペースは鈍化し、エリアや物件によっては価格調整が起こる可能性もあります。
投資不動産への影響はより直接的
投資用不動産は、実需住宅よりも金利の影響を強く受けます。
理由は以下の通りです。
- 融資比率(レバレッジ)が高い
- 収益性(利回り)で価格が判断される
そのため、金利上昇局面ではキャッシュフローと物件価格の両面で影響が出ます。
投資不動産への影響シミュレーション
ここで、金利上昇時の影響を簡単なシミュレーションで見てみます。
【前提条件】
- 物件価格:5,000万円
- 自己資金:500万円
- 借入額:4,500万円
- 借入期間:30年
- 年間家賃収入:360万円
- 年間経費(管理費・修繕・税金等):60万円
金利1.5%の場合(利上げ前想定)
- 年間ローン返済額:約186万円
- 年間キャッシュフロー
360万円 − 60万円 − 186万円 = 約114万円
👉 比較的余裕のあるキャッシュフローです。
金利2.0%に上昇した場合(利上げ後想定)
- 年間ローン返済額:約199万円
- 年間キャッシュフロー
360万円 − 60万円 − 199万円 = 約101万円
👉 年間約13万円のキャッシュフロー減少となります。
さらに注目すべきポイント
- キャッシュフローが少ない物件ほど影響が大きい
- フルローン・高LTV物件はリスクが高まる
- 表面利回りが低い都心物件ほど金利影響を受けやすい
金利がさらに上昇すれば、赤字に転落する物件も出てくる可能性があります。
利上げ局面で投資家が意識すべきポイント
今後の不動産投資では、以下の視点がより重要になります。
- 金利上昇を織り込んだ返済計画
- 余裕のあるキャッシュフロー設計
- 長期保有を前提とした安定賃料物件
- 出口戦略(売却時価格)を意識した購入
「金利が低いから成り立っていた投資」が見直される局面とも言えます。
まとめ|利上げは「不動産投資の選別」を進める
日銀の12月利上げ観測は、不動産市場にとって大きな転換点です。
- 住宅市場は緩やかに調整
- 投資不動産は収益性重視へ
- 甘い資金計画の投資は厳しくなる
一方で、立地・賃貸需要・収支に余裕のある物件は、利上げ局面でも十分に戦えます。
これからの不動産投資は、
「価格」よりも「中身」が問われる時代に入ったと言えるでしょう。

