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区分所有法が大改正へ — 2026年4月に施行、マンション管理・再生が大きく変わる

宅建
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2025年5月23日、改正区分所有法を含む関連法が可決され、同年5月30日に公布されました。

この改正は、長年問題とされてきた「老朽化マンション」「所有者不明」「管理組合の合意形成の難しさ」といった課題に対応するためのもので、2026年4月1日から施行される予定です。

マンションに住む人、管理組合、宅建業者、不動産関係者、すべてが知っておくべき「新しいルール」となります。以下、その主な内容と注意点を整理します。


主な改正ポイント

● 決議要件の緩和 — 合意形成が行いやすく

  • これまで、修繕・建て替え・共用部分改修など重要事項の決議には、全所有者の同意や高いハードルがありました。
  • 新制度では、例えば共用部分の変更などは「出席した区分所有者の過半数かつ議決権過半数」で可となる場合があります。
  • また、所在不明の所有者を決議母数から除外できるようになり、全所有者の同意が揃わないことで進まなかった再生・修繕が進みやすくなります。

→ つまり、これまで「合意が取れずに修繕・建て替えが滞る」ことが多かった管理組合でも、適切な手続きを踏めば運営・再生がスムーズになる可能性が高まります。


● 長期修繕計画・管理適正化の義務化

  • 改正法では、長期修繕計画の作成と管理が管理組合の責務として明確になります。
  • また、駐車場・駐輪場など附属施設の使用ルールや管理の見直し、専有部分のリフォームに関する手続き規定なども整理されます。

→ 老朽化マンションの維持管理を義務化することで、安全性・資産価値の維持、将来的な再生を見据えた運営が可能となります。


● 所有者が国内に居住しない場合の「国内管理人制度」の導入

  • 海外に居住する区分所有者が増えてきた状況を踏まえ、「国内管理人」を選任できる制度が新設されました。
  • 国内管理人は、専有部分の改良(共用部分を変えない範囲内)や、総会通知の受け取り、議決権の行使が可能になります。

→ 海外在住や法人所有など、管理が難しかった所有者がいるマンションでも、効率的に管理組合運営を継続できるようになります。


● 建て替え・大規模修繕のための決議ルール見直し

  • 建物の建て替えや売却、用途変更など大きな変更については、従来よりハードルが下がることになりました。
  • ただし、すべての条件で緩和されるわけではなく、「修繕積立金の状況」「マンションの現状・耐震・適法性」「説明義務の履行」など慎重な判断が求められます。

→ 旧耐震・老朽化マンションの建て替え希望者や、再生を目指す管理組合にとっては追い風ですが、安易な建て替えや規約変更は慎重に。


なぜ今、改正されたのか ― 背景にある「マンションの二つの老い」

改正の背景には、次のような現状問題があります。

  • 建物の老朽化:高度経済成長期以降に建てられたマンションが築50年近く経過。コンクリート劣化や設備更新が必要な物件が大量に存在。
  • 所有者の高齢化・所在不明問題:購入者の高齢化や相続による所有者情報の未更新、海外転居などにより、管理組合の構成把握が困難に。
  • 合意形成の困難さ:所有者が多数かつ多様であるため、修繕や建て替えのための合意が得られにくい。

こうした構造的な問題を放置すると、マンションの安全性・資産価値・住環境が劣化し、社会コストが拡大する恐れがあります。改正は、こうした問題への“制度的な答え”として位置づけられています。


宅建試験受験者にとって押さえるべき論点

今回の改正では、宅建試験や実務で問われやすいポイントが多数あります。

  • 区分所有法の決議要件(過半数・議決権多数等)の変更
  • 所有者不明・所在不明者の取扱いと決議母数からの除外
  • 長期修繕計画の義務化と管理組合の法的責務
  • 国内管理人制度の導入と、その権利・義務
  • 建て替え・修繕・共用部分改修の意思決定手続き

特に管理規約の改定、総会の通知・議決手続き、合意形成のルールなどは、直近の試験で問われる可能性が高いため要チェックです。


今後の注意点と見通し

今回の改正は、マンション管理や再生を進めやすくする大きな一歩ですが、注意が必要な点も残ります:

  • 条件緩和は万能ではなく、慎重な説明義務や透明性確保が求められる。
  • 所在不明の所有者を除外できるとはいえ、一定の手続きや裁判所の関与が必要。
  • 建て替えを急ぐあまり、修繕積立金の不足や資金計画の甘さで“再び管理不全”に陥るリスク。

管理組合、区分所有者、不動産業者ともに、「改正を知識として理解すること」が第一歩となります。


まとめ

  • 2025年に改正区分所有法が成立し、2026年4月から施行される。
  • 決議要件の緩和、長期修繕計画の義務化、国内管理人制度の導入など、マンション管理の実務が大きく変わる。
  • 宅建試験受験者はもちろん、管理組合や不動産業者も制度内容をしっかり理解し、対応を検討すべき時期。
  • 老朽化マンションの再生・建て替えを進めやすくなる一方で、安易な判断には注意。手続き・説明・合意形成を丁寧に。
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